老いた両親を守るために、カギを交換。

私は東京生まれです。
実家は下町にあって、他の地域に比べて近所付き合いも密なところだったような気がします。
カギをかけずにちょっと外出しても平気でした。
ご近所さんは全員が知り合いのような雰囲気でしたし、何かあっても誰かの目があるという心強さもありましたね。
でも、今の時代は、そんな下町であっても油断はできないんですよ。
平和だった町も、心を寄り添える隣人ばかりじゃなくなっています。
犯罪も、昔に比べて増えているようですしね。
私は大学を卒業して東京本社のメーカーに勤めています。
職場で知り合った女性と結婚して、都内のマンションで今は暮らしているんです。
子供も生まれて妻の実家に近い方がよいだろうと、今の住まいは実家から離れています。
ですから、実家には年老いた両親しかいません。
しかも、一昨年に、父の具合が悪くなり、入退院を繰り返したりしていて。
そうすると家には母一人きりになるんですよ。
母は、ちょっと耳が遠いので、心配もしていました。
そんな折に、案の定、泥棒に入られたんですね。
両親は昔かたぎなんで、銀行に預けないタンス預金がありました。
それを盗られてしまったんです。
父の治療にもお金がかかるので、家族としては困りましたよね。
父の病院へ見舞いに行くほんのわずかな間の出来事だったようです。
カギはかけて出掛けたと言ってはいたんですが、警察の話では今はやりのピッキング犯罪というやつですね。
下町ののんびりした環境に、やはり私たちも気を許していたんでしょう。
この町でそんなことが起こるわけがないと。
しかもピッキング犯罪なんて…。
私も仕事が忙しいですし、妻も子供のことや家事があります。
心配であっても、なかなか実家を行ったり来たりするわけにもいきません。
そこで、カギをもっと厳重なものに交換することにしたんです。
カギの交換だけでは損壊して入られる恐れもあったので、玄関のドアごと交換ですね。
多少の出費はありましたが、犯罪の被害に比べたら痛くはありません。
まだ、両親には元気でいてもらいたいですし。
そのためにも、私たちが居てやれない代わりに、カギが両親の生活を守るんだと思って。
厳重に、後で後悔せぬよう手抜かりない最新のものに取り換えました。
そういう後ろ盾があるおかげで、家族も安心して暮らしています。